「主夫」としてのヒューマンライブラリーへの参加を終わりにします


イベントとはわりと長い付き合い


以前からこのブログでもちょくちょく話題にしているヒューマンライブラリー




初見の方のためにざっくりご説明しますと、ヒューマンライブラリーとは、

社会的にマイノリティな人達とお話しすることができるイベント

です。

”ライブラリー”とあるのは、人の話を1対 大勢の講演形式で聞くのではなく、本を読むように一対一(数人の場合もあります)で対話する形で聞くということで、このような呼び方になっているそうです。

僕は2010年に獨協大学から誘われて以来、駒沢、明治、御茶ノ水女子、早稲田といろんな大学でヒューマンライブラリーに「本」として参加してきました。同じ大学に複数回呼ばれてるので、回数では10回を超えています。

そんな長い付き合いのこのイベントですが、先日、明治大学のヒューマンライブラリーに参加してきたのを最後に参加を終えることにしました。

活動自体はとても有意義なものだと思っていますし、応援したいという気持ちは今でも変わりません。ただ、僕はもう適任ではないな、と感じています。



ヒューマンライブラリーで話している様子。


一度は行ってみて!!


ヒューマンライブラリーって、本当に素敵なイベントなんですよ。

前回のイベントのテーマも本当に多彩で、普段なかなか会うことのない、様々なマイノリティな立場の当事者のリアルな話を無料で存分に聞くことができます。しかも一方通行ではなく、双方向にやり取りができる形で。

先日のテーマを例に挙げると、

「HIV陽性者」「性分化疾患」「ひきこもり経験者」「義足ランナー」「ホームレス」… 

非常に興味深くないですか!?

社会的にマイノリティで情報が少なく、ちょっと色眼鏡で見てしまいがちな立場の人たちの話を、そういう色眼鏡無しで、面と向かってきちんと話し、知ることができるんです。

もっともっと日本の教育機関で広まって欲しいです。



30分のミニ講演もやりました。


読者が求めるのは「リアル感」


ではなぜ僕が辞めるのかと言うと、最近あまり「リアルな話」ができなくなってるから、というのが大きいです。

先日の、このイベントの講演でもこんなことを言いました。

「今、僕がこの壇上に立たせてもらってるのは男性だから、というのが大きな理由です。もしもここに立っているのが女性の主婦なら、こんなに人は集まらないでしょう」


つまり、「性差」が大きなポイントなんですね。実際、僕ももしも自分が女なら全く悩まなかったであろうことを、男であるがためにシュフになった当初はいろいろ悩むこともありました。

しかしシュフになって6年以上が経ち、最近の僕は、男性で「主夫」であるということに、ほとんど悩みを感じなくなりました

職業としての「シュフ」であることに日常的にいろんな悩みがありますが、それは他の主婦と変わらないのです(だからこそ、「家事研」という、性別の要素がない、職業としての家事コミュニティを立ち上げたりしています)。


「今悩みがなくても、悩みがなくなった今だからこそ語れることもある」

と言われたりもしました。実際そういうこともあるかと思います。ただ、でもそれだとやっぱりちょっと聞いている側も物足りなさもあると思うんですよね。時間が経てば経つほど、当時感じた心の変化をリアルに表現するのも難しくなってきますし。


自分のために「本」になる


ヒューマンライブラリー、この活動の目的は「普段あまり理解されにくいさまざまなマイノリティの人達への理解を深める情報提供の場」ということがよく言われます。

実際それがメインなのですが、実は裏目的もあるのです。

それは

「本として参加する側が、自分の体験を話すことで自分の人生への納得感を高める

ということです。
実際、「本になりたい」と希望して本になる人もいるそうです。

僕も、ヒューマンライブラリーにかなり助けてもらったところがあります。何度も何度も同じ話をして、

「僕は専業主夫なんですけど〜」
「僕は専業主夫で〜」
「専業主夫の立場からお話しますと〜」

と繰り返し言うことで、

「あ、僕は専業主夫なんだ」

と、解離していた自己イメージ(自分が持つ自分のイメージと、他人が持つ自分のイメージ)を同じにする作業をしていたんですね。

そのイメージが同じだと感じている今、僕個人の目的も達成した部分があるのかな、と思います。



今後は「主夫」としての参加はない、けど


というわけで僕は今後「専業主夫」として参加することはないです。もしも主夫の話が聞きたいということでしたら、主夫サークル「レノンパパ」、NPO法人ファザーリングジャパンの「主夫の友」などの団体がありますので、そちらに問い合わせてみてください。


もうヒューマンライブラリーは出ないのか、というと、そんな風には思ってなくて、


また他のマイノリティ属性で参加したい!!


今後も引き続き、新しいことにどんどん挑戦していきたいです。

今年やったことで、あえて自分を本のタイトルとするなら、「ネットサロン運営者」とか、「Airbnbホスト」とかかな。

また面白いネタを 溜めて、"新刊"になりたいと思ってますので、それまでは充電期間とします。


最後に…

こんな僕に毎年声をかけてくださった明治大学横田ゼミの横田先生、そして学生・OBの皆様、本当にありがとうございます!

今度は「本」としてではなく、「読者」として参加する予定です、今後ともよろしくお願いします。


僕の担当の3年生、伊藤さん。
とても丁寧な対応でやりやすかったです。
ありがとうございました!