最終章 新しい、複数の「男らしさ」を作っていこう(5/5)



■第五章 新しい、複数の「男らしさ」を作っていこう

前回は「男らしさ」を作り上げている大きな要素の一つに
仕事」があり、そのプレッシャーにより、
多くの男性が男性からも、女性からも差別を受けている
そこから解放してあげる必要があるのではないか、というお話でした。

今回が最後になります。

ある雑誌を例に、多様な価値観を発信することで
世の中にたくさんの、複数の「男らしさ」を増やす、
そしてそうすることによって生まれる、メリットと、デメリット。
そんな話をしたいと思います。


【イクメン雑誌「FQ JAPAN」の魅力】

FQ JAPANという雑誌があるのはご存知でしょうか?
男の育児を応援する雑誌なんですけど、この雑誌が、
新しい男らしさ
の形成にとても貢献しているなあと、最近感じます。

いや、実は昔はこの雑誌、正直ちょっとうがってみてました。

だって、紹介されてる育児アイテムがどれもこれも高くて
「こんなの、僕の小遣いで買えねーよ!」
って感じで。
それに出てくるイクメン達がみんなオシャレイケメンで、
もう、みんな、キラキラしちゃってて。
子育てでボロボロになってる自分の姿と比較してしまい、
見ててなんだか劣等感を覚えたんですよね・・・

・・・なんて思ったりもしていたのですが、
しかし、そもそもこの雑誌は僕個人のお小遣いの範囲内の生活に
合ってなかった、というだけの話なのでした笑

この雑誌が強烈に打ち出しているのは、「カッコいい父親像」
とにかく、カッコいい。
カッコよく、育児をしてる。
仕事一辺倒な価値観はない
家族との時間をとても大事にする。
妻をきちんと妻として大事にする。
当たり前のように赤ちゃんのお世話をする。
オシャレだけど、飾らない。


なんか、父親っていうか、「男親」って感じなんです。
(僕の勝手なイメージです笑)

お父さんと言えば、自分のお父さんのイメージが強いけど、
今のお父さんってこんなにカッコいい人達がたくさんいるんだ!

あんな男になってみたい!

と思わせるパワーがあります。

「あんな風になりたい」
という思いは、それは自分らしさの一部として取り入れたい、
ということでもありますよね。
自分が認識する「男らしさ」を変える力になります。

「こんな男らしさもアリなんだ!」と素直に受け入れられます。

ま、実際に育児現場でこんな素敵なお父さんがいるかっていうと、
そんなに多くはないとは思いますが。
でも、そんなお父さんになりたい、という気持ちが大事ですよね。


【複数のいろんな「男らしさ」が、世間体のイメージを変える!】

社会にとにかく「男の親のイメージ」を発信していくこと。
多くの「お父さん像」が出れば出るほど、
そこにはたくさんの「男らしさ」が生まれる

仕事一筋に生きるのも「男らしさ」

仕事よりも家庭を優先させるのも「男らしさ」

「男らしさ」の旧来のイメージはとても狭くて、とても窮屈に感じます。
今までの「男らしさ」もあってもいいけど、
もっと広くて、もっとたくさんあっていい

そういった様々な価値観が増えれば、
自分はどうなりたいのか?という選択肢が増えるので
自分にあった「男らしさ」を選ぶことができるのです。

複数の選択肢があり、その中で自分にあった「男らしさ」を
見つけることができれば、
世間体が・・・という心理的ブレーキがかかることもありません。
なにも後ろめたいことはなく、清々しい気分で
自分なりの男らしさを楽しむことができます。


【変化に伴う、”痛み”】

ただ、良いことばかりではありません。
選択肢が増える、ということは、それだけ「迷う」ということでもあります。

女性は、いろんなシチュエーションで悩むことが多いですよね。
よくあるのは子供が生まれたら仕事はどうする?出世はどうする?

なんて悩みもあると思いますが、もしも選択肢があるのが一般的な社会になった場合、
こういった悩みを今度は男も同じように抱えることになります。

男A「こないださ、妻が妊娠したのがわかってさ」 

男B「おおー!おめでとう。そうかー。で、どうすんのお前、仕事は?」 

男A「いや・・・悩んでるんだよね。今ちょうどプロジェクトの途中だけど  やっぱり子供優先したいし。妻も仕事をそんなに休めないからなあ。しばらく家に入るよ」 

男B「まあ、仕事なんてまた機会あるもんな。子育ては今しかできないもんな」

なんて会話が当たり前のようになるかもしれません。
男性の悩みが、こんな風に増えたりするかもしれません。
変化というのは良いことばかりではなく、常に
「一つ得たら、一つ失う」
ものだと思います。

女性にも変化はあるでしょう。
先の例で、僕の妻が

「一家の大黒柱になるのが、こんなに大変だとは思わなかった・・・」

という話がありましたが、もしも男性にこういった選択肢が増えれば
女性が経済的に男性に頼るのが当たり前、という時代ではなくなります

それを、待ち望んでいる人にとっては幸せな変化ですが、
中にはそういった価値観を望んでない人もいます。そういった人にとっては
辛い世の中になるでしょう。

他にも、多民族・多文化の国のように異なる価値観のコミュニティ同士で、
対立も激化する、といったこともあるかもしれません。


選択肢が多い社会になることは、必ずしも万人にとって「幸せな社会」になる、
ということではありません。
ただ僕個人としては、今後の未来、こういった生き方に関しては
選択肢がたくさんある方向を支持しています。


【最後に。これを読んでいる男性へ伝えたいこと】


「FQ JAPAN」は魅力的な雑誌ですが、
まだまだこういった「新しい男性像を提案する
情報は少ないです。
僕もブログやTwitter、育児雑誌や講演など、出来る範囲で細々と
発信していますが、
そんなのはまだまだ砂漠にジョウロで水を撒くようなもので。
でもやらないよりはマシ、という思いでやってます。

もっともっと、いろんな「男らしさ」のイメージが出てきてほしいです。
車のCMや、缶コーヒーのCMのような、いかにもなヤツばかりでなく。

もしもこれを読んでいる男性で、少しでもこの話に共感してくださったのであれば
ぜひ、自分の「男の美学」を発信してほしいと思います。

別になにか特別なことをするわけではなく、
たとえば育児で娘達とプリキュアごっこをしたり、
家でカラフルなパンケーキを焼いたりして、
それをブログに書いたり、同僚との酒の席で話したいと思いますよね。
その時に

「これ、話題にしたいな・・・
でも、これは旧来の男らしさの基準とずれてるから、
おおっぴらにするのはやめとこう・・・

とか思わないでほしいのです。
変に意識をして世間体基準の自分を演じようとせず、
自分がそれを男らしい行為と感じていたら、
それを堂々と主張してほしい、ということです。


また、自分の感じた差異やその時の気持ちをどんどん周りに伝えましょう

世の中はどんどん多様化が進み、「表現しなきゃ伝わらない」時代になっています。

怒りも苦しみも、嬉しさも悲しさも、感情を表現していきましょう。

”ツーカー”で伝わることを期待するのはやめましょう。
それが、妻、上司、同僚、友人、近所の人、ありとあらゆる周囲の人との
相互理解に繋がる一歩だと思います。

感情を出す、ということは、プラスのものであれば相手に幸せを与えることが
できますが、マイナスのものは時として相手を傷つけることにも繋がるかもしれません。
そういう、相手に迷惑をかける可能性がある、というデメリットもあります。
しかし、「表現」しなければ、なにも状況は変わりません。

「僕はあの時、正直怖かった」

「俺はとても嬉しかったんだ」

「私はああいうことをするのが、恥ずかしく感じていた」

「今、本当に楽しい気分だ」

こんなストレートな表現はあまり日本語的ではなく、
ちょっと気恥ずかしいかもしれません笑
言い方はいろいろあるとは思いますが、とにかく
きちんと自分の感じていることを相手、周りに伝える、
こういうことが「空気」「世間体」という日本独特の
連帯意識を壊す、重要なきっかけだと思っています。

それにこういうことをきちんと臆せず伝えられるのは、
僕個人はカッコいい、とても男らしいことだと思います。
(もちろん、やりたくない人はやらなくていいです、個人の自由です)

すいません、僕は男なので男からの視点でしかものを言えませんが、
女性の方、その他多くのセクシャル・アイデンティティを持つ方も
同じようにそれぞれ自分の「らしさ」を主張していってほしいと思っています。


みんなで価値観を出し合って、
「こんなのもアリなんだー」
「こんなのもアリだよねー」
を共有していき、


自分の中のちっぽけな世間体をぶっ壊していきましょう。


社会に、新しい、たくさんの「らしさ」を作っていきましょう。



最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。


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