『プロチチ 2』レビュー

アスペルガー症候群の専業主夫が育児に奮闘する漫画『プロチチ』の2巻を「パパスイッチ」から献本頂きましたのでレビューさせて頂きます。ありがとうございます。



今回のメインはなんといっても主人公・直(なお)がアルバイトに就くところです。

まず、大変なのが子供を預けるところを決めるまで。保育園を探す際によく言われることが、作中でも語られています。

「仕事を決めるにはまず保育所を決めろと言われ、保育所を決めるにはまず仕事を決めろと言われ」

ほんと酷い話ですよね。

主人公も同じ問題にぶつかりますが、なんとかクリアして無事本屋で働くこととなります。しかしもともと彼はアスペルガー症候群なので本屋の仕事もなかなか上手くできず・・・ということでいろいろ仕事に育児に奮闘する内容となっています。



ただ、ちょっと残念だったところが、物語全体を通して「リアリティに欠ける」ところ。妻にも全部読ませましたが、やはり同じ答えが返ってきました。

この父親の行動がイマイチ不自然。たとえば子供を保育園に預けてバイトをがんばったのに、ほとんど保育園代で消えて収支はほぼゼロ・・・ってオチの話があるのですが、これは主人公のキャラ設定から考えるとちょっとおかしいです。

本人は就業規則を熟読して徹底的に調べるような性格なのに、収支計算をしてないはずがありません。こだわりが強すぎて周りを翻弄するのがアスペ的な性格だと思いますが、これだと行き当たりばったりで無茶をしているアホなお父さんにしか見えない・・・

赤ちゃん・太郎もデフォルメされすぎちゃって、リアルな赤ちゃん像から離れちゃってます。こんなリアクションの赤ちゃんいるの!?って思っちゃう。お母さんの生活や心情描写はリアリティ感じるんですけどねえ・・・

この漫画の最大のウリは

「そもそも普通の男でも大変なのに、空気の読めないアスペの男が育児社会に飛び込んで、

 乳幼児やママ友相手にがんばり、誰が見ても『いやいやさすがに無理でしょ』ってところをなんとか乗り越えていく」

ところだと思うんですよ。1巻にはそれがちゃんと描かれていましたが、2巻ではバイトの話がほとんどになってしまって、もはや専業主夫は過去の話になってしまっているし、ストーリー的にはただのイクメンの日常なんですよね。
しかも赤ちゃんをバイト先に連れてきちゃったりしてちょっと行動が突飛過ぎて、イクメンからも共感が得られるのかどうか疑問です。



作品のテーマ自体は時代にもマッチしている、ほかに類を見ない素晴らしい漫画なのでぜひ今後はもっと「対乳児」「対ママ友」のリアルを読んでみたいです。

最後は作品からの引用で締めくくりたいと思います。

「これからに期待して星ひとつ追加です!」