主夫インタビュー:主夫歴20年以上のベテラン主夫、イヨさん(後編)



前回の記事→ 主夫インタビュー:主夫歴20年以上のベテラン主夫、イヨさん(前編)



イヨさんのインタビュー、後編。後編は、ちょっとツッコんだ話を聞いてみた!

★★★

ー お子さん達に「なんでいつも家にいるの?」と聞かれたことはあります?

ないですね。子供って、育った環境が世界の全てじゃないですか。だからもうこの「お父さんが家にいる生活」ってのが当たり前なんですよね。お父さんって存在は家で仕事をして、家事をして、育児をするものって認識していると思います。

ある時、子供が小さい頃、私に質問してきたことがあるんです。

「"しごと"ってなに? "せいかつ"のこと?」

って。深い質問だなあ、と(笑)

ー それは良いこと、と受け取っていますか?

こう質問されたときは、正直、仕事を言い訳にして毎日をおろそかにしている自分を厳しく指摘されたような気がして、反省させられました(笑)。ウチの子はこういう環境で育ってしまったわけですが、子供達が今後家を出て、自分で家族を作った時にどんな家庭を作るのか、心配半分、好奇心半分です。

ー 好奇心(笑)

今とはまた時代も変わっているでしょうし、いろいろ楽しみでもあります(笑)



ー ・・・ところで、ちょっとつっこんだ話ですが夫婦間での発言力の違いとかってあります?

あー(笑)
よくシュフになると発言力が・・・って話ですね。実はうちは私の方がいつも強気ですね(笑)

やっぱり性格でしょうね。私が結構ワガママいったり、細かいこと言ったりするんですが、妻はそういう時は「オトナの対応」で引き下がってくれます。そのおかげで、円満に済んでいることも多いです(笑)。

ー シュフって仕事・家事・自分の時間を分けるのが難しいと思うのですが、自分の時間は作っていますか? 

作れているのかなあ。あまり明確には作っていないかもしれません。というのも、昔から「仕事」といって自室にこもり、ネット見たりなんてこともやってましたので(笑)

ー 一人の時間はそれなりに持ててはいるのですね

そうですね。仕事からも家事・育児からも離れている時間と言えば、本屋に立ち読みに行ったり、フラフラ飲みに出かけるぐらいですね。これといってハマっている趣味もないので。最近は体にも気を付けなければと思っているので、公営のジムにときどき行ったりしています。とにかく家の外に出ますね。シュフは家にいたら休まりません!

あとは、うちは上の子がもうすぐ大学生で、家を出て行ってしまう時期でもあります。だから今のこの家族との時間を大切にしたいという思いが強いです。



ー 最近シュフになりたいと希望する男性が多いですが、どんな人がシュフに向いていると思いますか?

I:地道な作業に耐えられる人、ですね。シュフ業って毎日が同じことの繰り返しじゃないですか。そういうものに耐えられないと辛いですよね。料理一つとっても、たまにしか作らない、いわゆる「男の料理」みたいな凝ったものじゃダメですから。毎日、冷蔵庫の中身を見て、えいっと、安くて栄養面でも問題ないものを作らなきゃいけない。それが何年も何年も続くんです。

毎日の生活そのものが好きで、その中で自分なりのモチベーションを何か維持できる人なら、きっと大丈夫なのでは。

ー 確かに大きな環境の変化がないというのはシュフ業の特徴かもしれません

I:あと、一つのことを突き詰めることよりも、幅広い知識や経験を得ることを好む人の方がいい。シュフは何でも屋ですから。教師、医者に、ツアーコンダクター、大工、栄養士・・・いろいろな技術が求められますからね。

ー 究極のゼネラリストってところですか(笑)

I:ほかには、「肩書きにこだわらない人」ってのも。男がシュフになって一番変化を感じるのは、きっとこの肩書きがなくなることだと思うんですよ。自分個人の人間勝負でいける!って思える人ですね。

ー シュフってよく「ラク」と思われがちですが、意外といろんなプレッシャーがありますね

I: そうですね。これで最後ですが、人付き合いができる人ってのもかなり重要。地域、子供関係、親戚付き合いなどシュフはそういう中でいろんな調整役になります。ふだん家にいるシュフは、その家、世帯の「顔」になりますからね。いろいろな場面で、周りの人たちとコミュニケーションをとってうまくやっていくとか、地域の中で一定の責任を果たすとか、そういうことは大切だと思います。

ー 会社で「コミュニケーション力が~」なんて言われますけど、シュフの世界でも同じなんですね

I:これも言うのは簡単で、なかなか実際やるのは難しいところなんですが。



ー 最後に、このインタビュー記事の掲載にあたりイヨさんからなにかメッセージがあればお聞かせください

シュフになる前までは本当に自分の世界が会社中心だったんです。それがシュフになってから、この社会にはいろんな人がいるんだなあ、と気付けた。「会社員」とか「シュフ」とか言うと、その人の生活の想像がしやすいからついステレオタイプに当てはめて考えてしまうんだけど、実際は家庭によって千差万別なんですよね。だからいろんな人がいるということをわかって欲しいかな。逆に私もつい外で働いている人のことを紋切り型の見方をしてしまうことがあるので、それは気をつけないといけないですね。

★★★

イヨさん、本当にありがとうございました!

お子さんがイヨさんに対してした質問、

「仕事ってなに? 生活のこと?」

というのは、考えさせられますね。