“DQN親になりたくない症候群”



妻がちょっと前までしょっちゅう言ってた言葉が、

「子育てがこんな大変だって、聞いてないよ!」





独身の頃には想像すらできなかった子育ての大変さ、いろいろありますよね。

今日の話はそんな大変なことの一つ、親なら誰でも一度は思うであろう、

「子供のためにこんなに人に頭を下げることになるなんて、聞いてなかったよ!」

って話。

特に、「昔は子供が嫌いだったけど、今は親やってる」って人に読んでもらいたいです。



日常的に発生する大量の罪悪感


独身の頃は、あまり日常的に人に謝ることってないんですよね。いや、口先で謝ることは多々あるんですけど、無条件に心から謝罪するようなことがない。

例え仕事なんかでミスをしても、ほとんどの場合、心のどこかに逃げ道がある。「私も悪かったけど、他にも原因はある」、「嫌になったら辞めればいい」のような。

もちろん自分のミスは真摯に謝るのはとても大事だし、そうすべきなのですが、ミスに対する罪悪感って一気に飲み込めるものではありません。時間をかけて少しずつ噛み砕いて飲み込まないと体によくありません。だから、心のどこかにちょっとした逃げ場を作って、ちょっとずつ消化したりします。自分のミスは、自分でその受け止め方をある程度コントロールできるんですよね。

でも子供が起こした問題に対する罪悪感は違う。

子供が他の子供を叩いて怪我を負わせた、

子供がうるさくて周りから注意された、

子供が公共の場所でオシッコを漏らして、多大な迷惑をかけた・・・

完全にこちらが悪いです。平謝りです。

「自分が悪いわけじゃないのに、なんでこんな他人に怒られないといけないんだ!」

と、悔しい思いでいっぱいになります。自分が起こした問題じゃないので、うまく気持ちの整理ができません。

一気に大量の罪悪感が流れ込んできて、消化しきれなくて、溢れてしまいます。



自分に返ってくる言葉


本来、ここで

「まあ子供がやったことだし、大目に見てよアハハハハ」

と、心の中で思いつつ、口先では平身低頭謝れるのが一番ストレスの溜まらないやり方なのでしょうが、ここでそう簡単に思えない人達がいます。

それは、

「独身や子無しの頃に子供の存在をウザいと思い、またそんなウザい子供を野放しにしている親を軽蔑してきた」親。



これは僕もちょっとそうだったから気持ちがわかるのですが、こういう人は、例えば電車の車内で子供が騒いでうるさい時に

「なんで知らない子供が私の人生を妨害してくるんだ? 親はなにやってんだよ! 子供の管理ひとつできないダメ親だな!」

なんて、自分がかつて小さい頃数多くの他人に迷惑をかけながら育ってきたことをキレイさっぱり忘れ、自分の権利だけを主張します。

そしてそういう親を「DQN親」「モンスターペアレント」などと罵り、「ああはなりたくないよね」と、自分とは違う人種がやったこととして線引きをして、状況に妥協します。



DQN親になりたくない!


こういう、子育てを全面否定してきた人達はいざ自分が親になった時が辛い。

繰り返しますが、子育てをすると絶対に他人に迷惑が発生するんですよ。あまり「絶対」とかいう言葉使うと言ってることが薄っぺらくなるのでアレなんですけど、これは間違いない。他人に迷惑をかけない子供なんて聞いたことがない。

するとどうなるか。



自分の子供が人様に迷惑をかけた時、今まで自分が吐いてきた「ダメ親に対する悪態」が、自分に返ってくるんです。

吐いた分だけ、全部。



誰もなにも言ってないのに、

「ここで『自分は悪くないし』と思ってしまったら、昔自分が軽蔑したDQN親と一緒になってしまう!

と、自らを追い込んでしまいます。過去の自分の発言が邪魔をして、大量の罪悪感を一時的に逃がす心のゆとりがどこにもなくなってしまうんですよね。子供は親に構わずどんどん他人に迷惑をかけ続け、溜まる膨大なストレス。でもそれでも「人様に迷惑をかけてはいけない」という恐怖にも似た信念から逃れられないのです。もはや強迫観念、「DQN親になりたくない症候群」です。



「親の感情の行き場」フローチャート


一気に流れ込んできたストレスはその後いろんなところに溢れて拡がっていきます。

ちょっとフローチャートを作ったのでまあ見てやってくださいよ。




単純な話、自分の中の「DQN親」を認めてあげないと、結局そのシワ寄せは全部子供にいきますよ、ってこと。



たまには「DQN親」な自分を許そう


子育て程、感情が揺さぶられるものもない。

だからどんなに職場で善人面してる人も、家では鬼のような面することもあります。

どんなに「あの人は冷静よねー」なんて言われるような人も、子供の前では冷静でなんていられないです。

ブチ切れて引っ叩くこともあるし、キャパオーバーになってネグレクトなど反社会的な行動をとることもあります。



そんなもんなんです。親って不完全だから。

親だってただの人間、ミスをしないロボットじゃないんですよ。

いいんですよ、たまには「DQN親」になったって。

次、気をつければいい。



だから、過去にうるさい子供を見て軽蔑していて、現在親になって自分自身を責めている人がいたら、もうそんな過去のことは全部忘れちゃってください。

発言小町なんか見て、「自分より下」の人を探す必要もないです。

その代わり、今後たとえば電車の中で泣いている子供や、ベビーカーを載せて辛そうにしている親を見かけたら

「かわいいお子さんですね、おいくつですか?」

なんてテンプレ的な言葉でいいから、声をかけてその場の空気を変えてあげてください。

それが、周りも、子供、親も、自分も、結果的に皆が一番得する一言なんじゃないかと思うのです。


関連する記事