1日目 ~地味な出発~

フェリー乗船





家を出たとき、ちょうど夕方5時を告げる鐘が鳴った。


これから四国に向かう。自宅の近く、有明港から四国の徳島までフェリーがから出ているので、そこを目指してキャリーバッグやテントで重くなった自転車のペダルをこぎ始める。

有明港というと、お台場のはじっこである。あの観覧車やだだっ広い通りを尻目に、フェリー乗り場へいく。

お台場というと「しゃれた街並み」というイメージがあるが、このフェリー乗り場近くは、はっきりいって汚い。道路に鉄くず等のゴミが散らばってるし、アスファルトはでこぼこだし。出発早々パンクを心配した。



フェリー乗り場に着き、乗船チケットを購入後、自転車を輪行バッグにいれる作業に取りかかる。こうやって自転車を「手荷物」にした方が安く上がるのだ。学割をつかって約7000円だった。

支度を終え、ゲートへ向かう。そこの看板をみて気づいたが、ここからは徳島、そして北海道の苫小牧にもフェリーが出ている。ということは、オレはここに一度来たことがあるのか?高2の頃、友達と二人で北海道にチャリ旅に行ったことを思い出した。全然見覚えがなかった。乗り場の建物を立て替えたのかな?

いやーしかしあの頃はほんとなにも考えずに旅してたな。チャリに荷台もつけず、テントも寝袋も全部バックパックにしょって、しかも行き先もその日その日で決めてたし。町にいったら祭りがやってて「ナンパ競争。先に女の子に声かけた方が500円」とかやってたし。嗚呼、ほろ苦い思い出。



フェリーは久しぶりだったので、はじめはワクワクしてた。デッキから見えるお台場の夜景をしばらくみて感傷にひたった後、おとずれたのはヒマである。オレの部屋はもちろん2等船客室。ひろーい部屋に硬いじゅうたんが敷いてあるだけ。船内をひと通りウロウロした後は、映りのすごく悪いテレビをぼーっと眺めてた。




メガネ坊主。





夜8時頃、あまり腹は減っていないが食える時に食っておこうと思い、レストランにいく。ハンバーグ定食で700円ちょい。船の中にしては妥当な値段かな?

やはり一人で飯を食うのはなにか物足りないものがある。しかも黙々と食っている間、

味噌汁をこぼす。

服にドバーっとかかり、Tシャツやトランクスの中までもしみてくる。がらんとした食堂で、独り紙ナプキンでお腹をふいている光景はあまりに地味であり、あまりに空しい、、、なに、もうすでに修行は始まってんの?



客室に戻り、さらに映りが悪くなったテレビであまり興味のないパンパシ水泳をぼーっと観る。



「この旅、本当に大丈夫なんだろうか?」



そんなぼんやりとした不安を感じながら、いつの間にか寝る。


2日目 ~初めてのお接待~


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